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新規顧客を取り込む「セールス・ファネル」の構築方法(BtoB商材)
次のビジョンや新たな事業構想を描き、「新規事業計画書」は作ってみたものの、「見込み顧客」とどのようにして出会い、信頼を獲得し、あなたの商品やサービスを初回購してもらい、継続購入してもらうのかといった「マーケティング戦略」と「アクション」が漠然としていて、具体的に何をしたらよいのか、お困りになったご経験はないでしょうか?
また、「マーケティング戦略」と「アクション」が明確に見えていたとしても、あなたの会社には「マーケティング・営業人材リソース」が不足しているため、「具体的アクション」に直接、結びつけることが難しいといったお困りごとはないでしょうか?
今回のブログ記事では、「専門知識を顧客側が有するBtoB商材」を取り扱う主に製造業の中小企業経営者様向けに、上記お困りごとを解決する「セールスファネル」の構築方法とその解決事例をご紹介いたします。
本ブログの対象となる読者
①「新規事業計画書」は作ってみたものの、次の具体的なマーケティング活動とゴールが見えずにお困りの中小企業の経営者
②具体的なマーケティング活動とゴールは明確になったものの、営業人材が不足していて十分なマーケティング活動ができずにお困りの中小企業の経営者
「セールス・ファネル」とは
「セールスファネル」とは、あなたの新ビジネスに初めて触れる「見込み顧客=リード」に対して、「①知ってもらう(興味・関心)」→「②信頼してもらう(比較・検討)」→「③オファー(価値提案)する」→「④受注・契約する」の順番を経て、「見込み顧客」の心理を段階的に変化させ、「潜在顧客」を「見込み顧客」に、「見込み顧客」を「初回購入顧客」に、「初回購入顧客」を「継続購入顧客」に、「継続購入顧客」を「優良顧客・ファン」に変化させるプロセスを段階分けしたものを示しています。「潜在顧客」から「優良顧客・ファン」になる過程で、人数が絞り込まれていく様子を、漏斗(じょうご、ろうと=funnel:ファネル)に例えて、「セールス・ファネル」と呼んでいます。
【見込み顧客=リードに対するあなたのアクション】
①知ってもらう(興味・関心を持ってもらう)
②信頼してもらう(比較・検討の上、選んでもらう)
③オファー(価値提案)する
④受注・契約する
BtoB商材(部品・材料・建材等)を販売する「セールス・ファネル」
顧客側が専門知識を有するBtoB商材(部品・材料・建材など)を販売する「セールス・ファネル」を事例に挙げてみます。例えば、あなたの会社(製造業)から顧客企業(製造業)への「部品・材料・産業ロボット・システムインテグレーション」の販売、あなたの会社(製造業)から顧客企業(建設業)への「建材」の販売が該当します。
B to Bビジネスでは、顧客企業は、商品別の有力メーカー2,3社程度を知っています。顧客企業の担当者は、「新商品情報」を日頃からチェックしており、手元には最新の「カタログ」があります。必要な商材の仕様が決まれば、カタログやWEBサイトで確認して、いつものやり方で発注をすることが一般的です。
顧客企業の採用キーマンの多くは、ある程度、専門知識を有している場合が多く、こだわりがあり、お気に入りの商品があります。普段通りの業務であれば、新しく何かを調べることはなく、お気に入りの商品を使い続けます。そのため、現状使い続けている商品を、あなたの会社が提供する新商品に置き換えるためには、現状の商品を使い続けた場合と比較して、新商品に置き換えて使用した場合の顧客企業の「メリット(顧客価値)」を伝える必要があります。
「セールス・ファネル」を構築するためのポイント
従来は、あなたの会社の営業担当者またはあなた自身(社長)が、①顧客企業に継続訪問する、②頻繁に宴席を開くなどして、顧客企業の採用キーマンと仲良くなり、強固な信頼関係を構築した上で、オファー(価値提案)をし、受注・契約につなげていました。しかし、このような営業アプローチは、コロナ禍での対面接触が困難であることも相まって、営業担当者の業務負担や心理負担は大きいものとなっていました。経営資源の乏しい中小企業においては、いかにして営業業務を効率化し、受注確度を高めるかが課題となっています。
そのため、現在では、上記課題を解決するために、①顧客企業への継続訪問や②頻繁に宴席を開くこと以外にも、「営業担当者」+「デジタル」活用による提案営業アプローチを採用することが有効と言われています。具体的には、以下の2段階を踏んだ提案営業アプローチです。
【「営業担当者」+「デジタル」を組み合わせた提案営業アプローチ】
①「見込み顧客」のニーズが発生する前
→「デジタル」を活用して、見込み顧客に対して有益で役に立つ情報を継続的に発信する
→「知ってもらう」
→「信頼してもらう」
②「見込み顧客」のニーズが具体化したタイミング
→「デジタル」から「営業担当」に引継いで「商談」を行う
→「オファー(価値提案)する」
→「受注・契約する」
従来では、「営業担当者」が、顧客企業への継続訪問などを通じて、有益な情報提供を図り、受注・契約するまでのすべての営業業務を引き受けていましたが、その業務の一部を「デジタル」に置き換えることで、営業業務を効率化しつつ、受注率を高められるようになりました。
なお、「デジタル」は、例えば、あなたの会社の「Webサイト」などを示しています。顧客企業にとって有益で役に立つ情報を「Webサイト」から発信し続けます。
【顧客企業に役に立つ情報発信手段の例】
①週1「ブログ記事」発信
②「無料小冊子(ノウハウ資料)」の配布
③「見込み顧客リスト」への週1「メルマガ配信」、など
「セールス・ファネル」の構築事例
顧客の心理状況・行動が、①「日常業務フェーズ」→②「初回購入前フェーズ」→③「継続購入フェーズ」の3段階に変化することを想定して、それぞれの段階における、ゴール(目的とKPI)、顧客との理想的な接点、アクションを言語化していきます。
参考までにアウトプットイメージを、以下の図表に示します。
「日常業務フェーズ」において、何をするか
日常業務フェーズにおけるゴール(目的・目標)とアクションを言語化します。
【ゴール】
顧客企業にとって役に立つノウハウやデータである「情報資産」を、「Webサイト」などを通じて公開して、「見込み顧客リスト(会社名・メールアドレス・電話番号・住所等)」を獲得する。
「情報資産」は、例えば、50ページ程度の「無料小冊子」です。Webサイトに無料小冊子をダウンロードできる機能を設けて、「見込み顧客リスト」を獲得します。
そして、獲得した「見込み顧客リスト」に対して、あなたの会社の新商品情報を「メルマガ」等で、定期的に通知します。例えば、顧客企業の担当者が、メール記載のURLリンクをクリックしたタイミングを、顧客企業のニーズが顕在化したタイミングであると捉えて、あなたの会社の営業担当者が、顧客の「状況ヒアリング」や「お困りごとの解決」を目的に、顧客企業に訪問するのは良いアプローチです。訪問が難しい場合には、手書きのはがきを送ったり、電話をかけたりすることも有効です。
【アクションの例】
①ブログ発信(Google検索の上位ランキングを目指す)
②専門誌との関係構築によって、ノウハウを掲載した技術特集を執筆し、WEB発信する
③無料小冊子ダウンロードページを作成する
→無料小冊子ダウンロード時に「見込み顧客リスト」を獲得する
(無料小冊子の例)
- ✓「×××製品」導入のための3つのポイント
- ✓「×××製品」選定と「システムインテグレーション業者」の選び方のノウハウ
- ✓顧客企業の工場に「×××製品」導入後の効果シミュレーション(Before→After)
- ✓展示会や実験ショールームなど「×××製品」利用シーンの写真及び動画リンク
④「見込み顧客リスト宛」にメルマガを配信する
→顧客の製品情報クリックからニーズを検知して「商談」に結び付ける
⑤既存人脈からの紹介を通じて見込み顧客と出会い、お困りごとのリサーチをする
→「商談」に結び付ける
⑥展示会出展や自社ショールームを活用した「製品デモンストレーション」を行う
→見込み顧客の興味・関心を引いて「商談」に結びつける
また、見込み顧客からの信頼を獲得し、商談につなげるために、以下2つの問いに答えらえれるように準備しておきます。
- なぜ、顧客企業は、商品・サービスを買う必要があるのか
- なぜ、顧客企業は、商品・サービスをあなたの会社から買う必要があるのか
具体事例については、以下のブログ記事をご一読いただけますと幸いです。