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起業・新規事業を成功に導く「エフェクチュエーション」とは

コロナ禍という未曾有のパンデミックにより、人々の生活様式が変化する中、ビジネスも変革の時を迎えようとしています。そうした中で注目を集めているのが「エフェクチュエーション(Effectuation:実効理論)」という意思決定の理論です。「エフェクチュエーション」の発見は、現時点、21世紀経営学の最大の前進の一つと言われています。

起業家個人だけでなく、大企業の新規事業開拓などにも役に立つ概念だという「エフェクチュエーション」とはいったいどんなものか、ブログ記事にて紹介したいと思います。ぜひ、あなたの起業・新規事業の成功に役立てていただければ幸いです。

本ブログの対象となる読者

対象となる読者を以下に示します。特に、これから起業・副業を実施しようとしている方、新規事業を立案し実行しようとしている方で、以下のお困りごとやお悩みをお持ちの方が対象となります。

  • 何かを始めたいと思うが、何をすればよいのかわからない方
  • ●何をすればよいのかわかっているが、失敗を考えて躊躇してしまう方
  • ●実際、チャレンジしてみたが、思い通り進まなかった方
  • ●アイデア自体、またはアイデアを実行することに自信がない方

なぜ「エフェクチュエーション」なのか

今まで大企業を中心に取り入れられてきたのは、「年間売上高10億円」等の目標設定を行い、それを達成するために、最適な手段を後から検討していくアプローチをとっていました。

このような目標設定型の逆算的アプローチは、「コーゼーション(Causation)」と呼ばれ、将来を予測して、目標達成のための手段を考えて行動を進めていくことを特長としています。

しかしながら、コーゼーションは、将来予測ができる場合においては有効なアプローチとなりますが、現代のような「不確実」で「将来予測が困難」である「VUCA(変動・不確実・複雑・曖昧)時代」においては、コーゼーションのアプローチのみでは十分な対応を図ることが困難となってきました。また、不確実性が極めて高い状況下において、我々はいったいどのような行動をとっていったらよいのかを示す考え方や指針が求められるようになってきました。

このような背景のもと、「不確実」で「将来予測が困難」な状況下においても「意思決定」を可能とする「エフェクチュエーション」といった実効理論を、インド出身の経営学者、サラス・サラスバシーが体系化し纏めました。

「エフェクチュエーション」とは

「エフェクチュエーション」は、目標設定型の逆算的アプローチであるコーゼーションとは対極の考え方であり、自分が使える手段や手持ちの資源(知識・経験・スキル・情熱・人とのつながりなど)から新しいゴールを発見していく問題解決型アプローチをとっていることが特長です。

また、「エフェクチュエーション」は、不確実で将来予測が困難な状況下においても、コントロール可能な活動に集中することで、新しい行動を起こすことができる、ことを特長としています。

「0➡1」のフェーズでは「エフェクチュエーション」が、「1➡10」のフェーズでは「コーゼーション」が有効であると言われており、どちらが上、という対立関係ではなく、状況に応じて二つの手法は使い分けされています。

社会の「今日」をきちんと動かすには「コーゼーション」が必須、しかし、社会の「明日」を拓くには、ベンチャーマインド溢れる「エフェクチュエーション」が必要と言われています。よって、状況に応じて、適切にコーゼーションとエフェクチュエーションのバランスをとっていくことが重要です。

5つの原則

具体的には、以下の5つの考え方から構成されています。

1.「手中の鳥」(Bird in Hand)の原則

【発想の起点】

●「達成目標」から考えるのではなく、「自分が使える手段・手持ちの資源(知識・経験・スキル・情熱・人とのつながり等)」からスタートし、「活かして何ができるのか」を考える

●都度、今の手持ちのカードからどんなゴールが描けるのかを考えて仮説検証的に試してみる

●わずかな可能性に過ぎなかったものからでも、新たなビジネスチャンスを生み出す

2.「許容可能な損失」(Affordable Loss)の原則

【リスクとリターンへの考え方】

●期待利益を最大化できるように行動するではなく、許容可能な損失を計算して、その範囲で行動する

●はじめから巨額の投資を行うのではなく、リスクの小さな少額投資から始め、すぐに切り替えることができるような小さな失敗を重ねて学習することで次のプロセスへと進んでいく

●果敢なチャレンジを継続していくために、最大限つぶせるリスクは潰す

3.「クレイジーキルト」(Crazy-Quilt)の原則

【外部の見方】

●競合とどう戦うのかのではなく、誰とどう協働するかを考える

●形や柄の違う布を縫いつけて1枚の布を作るクレイジーキルトのように、顧客・競合他社・協力会社・従業員など、さまざまな繋がりをパートナーと捉え、一体となってゴールを目指す

外部の力でレバレッジして、成果を拡大する

4.「レモネード」(Lemonade)の原則

【想定外や失敗への対応】

レモン(失敗作)が出来たとしても、レモネードにすればよい(→使い物にならない欠陥品でも工夫を凝らして、新たな価値を持つ製品へと生まれ変わらせばよい)。

失敗もあることを前提に、そこから何かは拾えるようにものごを計画する

●予期せぬ事態を避けるのではなく、偶然をテコとして活用する

5.「飛行機の中のパイロット」(Pilot in the plane)の原則

【未来に対する態度】

コントロール可能な活動に集中することによって予測を不要とし、コントロールによって望ましい成果を帰結させる

●自分でコントロールできない要素については希望的観測を持たない。

●できるだけ自分で未来を作ろうとする

●常に数値を確認し臨機応変な対応をするパイロットのように、不測の事態に備え、外部環境の変化に対して柔軟に行動する

「コーゼーション(Causation)」と「エフェクチュエーション(Effectuation)」のアプローチの違い

「コーゼーション」と「エフェクチュエーション」のアプローチの違いを以下に示します。

CausationとEffectuationのプロセスモデル

「エフェクチュエーション」は、「自分は何ができるか?(What can I do?)」という観点から考え、誰もが持っている「3つの資源」を洗い出すことで、自分が今すでに持っている手段を見出していきます。

<エフェクチュエーションのための3つの資源>
1. 自分は何者か(セルフイメージ)【特質】【能力】【ポジショニング】:自分自身の特質や独自の魅力や強みを明らかにして、それを利用します。

2. 何を知っているのか?【教育】【専門性】【経験】:個人が持つ知識や経験の質や量は、それぞれの人生によって異なってきます。

3. 誰を知っているのか?【社会的ネットワーク・人脈】:新しい取り組みを始めるときに最大の資源となるのは、自身が持っている人脈です。直接的な知り合いである家族や友人、他者を通じて繋がった人々などが挙げられ、その人たちが持つ手段を自らの手段に加えることも可能です。

このように、『資源を洗い出し、手段を評価する➡行動する➡他者と繋がる➡相互作用が働き、新たな手段や目的を生み出す新たな製品・市場を生み出す』といったプロセスを踏んでいくことで、最初は想像もできなかった可能性を見出していきます。

まとめ

「0➡1」のフェーズでは「エフェクチュエーション」が、「1➡10」のフェーズでは「コーゼーション」が有効であると言われており、どちらが上、という対立関係ではありません。重要なことは、状況に応じて二つの手法を使い分け、バランスをとっていくことです。

ぜひ、自分のキャラクターを自己診断頂き、状況に応じて適切に使いこなしていただければと思います。

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